column 近江八幡 モニターツアーレポート - 後編 - 「八幡のまち並み散策」

こんにちは!和歌山大学観光学部3年生の松村と辻野です。

ここからは、前編「西の湖・水郷めぐり」に引き続き近江八幡モニターツアー体験レポートの後編として、2日目の八幡旧市街地のまち並み散策を中心に紹介します。
まだ前編をご覧いただいていない方はぜひご覧ください!

旅1日目の水郷めぐりを楽しんだ後、私たちは「お宿じゅらく亭」に宿泊しました。
国の重要伝統的建造物群保存地区にある江戸時代後期のまちやと蔵をリノベーションしたお宿で、歴史ある建物とモダンな内装を融合させた素敵なお部屋でした。


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夕食はお宿のご主人が経営されている「町屋じゅらく」でいただきました。宿から徒歩5分の仲屋町にあり、こちらも伝統的なまちやを改装した素敵なお店でした。

いただいたのはお魚を中心に地域の食材をふんだんに使ったお料理で、彩りも美しく大満足でした。特に琵琶湖でとれた鯉のお造りが入っていたのが新鮮でした。鯉はこれまで食べたことがなく、どのような味か少し不安でしたが、臭みもなくとっても美味しかったです。

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そして2日目は、八幡の旧市街地を散策しました。1日目は雨でしたが、幸いお天気も回復し、絶好の散策日和となりました。

ここからは、近江八幡観光ボランティアガイドの宮津さんに教えていただいた、まちの歴史にまつわるお話と私たちが感じたことを紹介します!

まち歩きは白雲館からスタートしました。この白雲館は洋風建築で、もともと明治初期に八幡東学校として建築されました。現在は修理などされ観光案内所や展示施設として活用されています。

建築当時、費用の大部分は近江商人の寄付によって賄われたそうで、学ぶ児童も当時としては珍しく半数は女子だったそうです。近江商人の先進性と次世代育成を大切に考えていたことがうかがえます。こんな学校で勉強できたら素敵ですね!

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次に訪れたのは、「ふとんの西川」として有名な西川甚五郎邸です。とても大きくて立派なお屋敷が道沿いに続いています。今回は外観のみでしたが、敷地内には「西川甚五郎本店史料館」が公開され、450年以上続いてきたお店の歩みを知ることができるそうです。ちなみに、この地域には西川さんという苗字の方が多くいらっしゃるそうで、お店の看板や表札など、あちこちに見かけます。

ここからは、ウィリアム・メレル・ヴォーリズゆかりの場所を巡ります。
西川甚五郎邸の近くの広場には、優しそうな表情のヴォーリズと、花束を渡す女の子の銅像があり、その向かいにはヴォーリズが設立した会社、近江兄弟社があります。
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アメリカ人のヴォーリズは、明治後期に商業学校(現在の八幡商業高校)の英語教師として近江八幡に赴任し、以来このまちを拠点に、キリスト教を伝道しながら建築活動や教育など様々な分野で活用をされました。

ヴォーリズは61歳のときに日本に帰化し、「一柳 米来留(ひとつやなぎ めれる)」と名乗ります。メレルに「米来留」という漢字を当てたことには、”米国から来て近江八幡に留まる”という意味が込められているそうです。近江八幡への愛が感じられますね。

続いて池田町にあるヴォーリズの洋風住宅を巡ります。レンガ塀が続く一角には、ダブルハウスや吉田悦蔵邸、ウォーターハウス記念館など、複数のヴォーリズ建築が立ち並んでいます。

屋根に突き出た暖炉の煙突や、光を取り入れやすいよう窓が大きく取られているのは、ヴォーリズ建築の特徴の一つだそうで、住む人への思いやりが感じられます。
今回は外観のみ見学しましたが、春・秋には観光物産協会による建物内部の特別公開などされています。次回はぜひ中に入ってみたいです!

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次に、近江商人の立派な本宅が並ぶ新町通り周辺を訪れました。重要伝統的建造物群保存地区となっているこの通り沿いの建物は、江戸時代のものが多く、2階が低くつくられているのが特徴です。当時の商人は1階で暮らし、2階は主に荷物の置き場として利用していたそうです。通り沿いに植えられた「見越しの松」も印象的で、近江商人の格式の高さがうかがえます。

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最後は、近江八幡のシンボルともいえる八幡堀を訪れました。堀沿いの遊歩道を散策や、船で八幡堀めぐりを楽しむこともでき、昔ながらの風情を感じられる人気スポットです。

この周辺は、豊臣秀次により八幡山城の城下町として開かれ、その際に琵琶湖とを結ぶ重要な交通ルートとして八幡堀が築かれ人・もの・情報などが多く集まり栄えました。

しかし、昭和になると次第にかつての役割を失い、公害も発生したことから、昭和40年代には埋め立てが計画されました。しかし、まちの記憶が詰まった八幡堀を守らなければならないという強い思いを持った青年会議所の人々を中心に保存運動が始まり、多くの市民に共感の輪が広がった結果、埋め立ては中止されました。その後は修景事業などが行われ、現在の姿になったそうです。

私たちが今回のツアーで歴史ある八幡堀を見られたのも、市民の皆さんの長年の努力があってこそだと思うと、感慨深いものがあります。

また、今回はちょうど紅葉の時期で、この日は青空が広がっていたため、八幡堀との調和が美しく、秋を感じることができました。八幡堀と紅葉、ゆったりとした八幡堀めぐりの様子などを眺めながら、とても穏やかな時間が流れるスポットでした。

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なお、今回のまち歩きの出発点となった白雲館の前には、八幡堀や西の湖の保存再生のため、計画の見直しを決断した国や県の担当者に対する「感謝の碑」が立てられています。ふるさとの歴史文化や自然環境を守ってきた地域の方々の思いが感じられる貴重な場所なので、八幡堀と合わせてぜひ立ち寄ってみてください!

2時間ほどかけて八幡の旧市街地を散策して、さまざまな歴史と地域の人々のストーリーが詰まった素敵なまちだなと感じました。自分たちだけで観光するとなると、なかなかここまで深い地域のストーリーを知ることはないので、今回ガイドしてくださった宮津さんに感謝の気持ちでいっぱいです。今回私たちが訪れた場所以外にも、探せば探すほど新たな魅力が見つかる味わい深いまちだと思うので、ぜひまた訪れてみたいです。

そして、まちの奥深いストーリーに触れる大人の観光がしたい…という方には、ボランティアガイドの方にご案内いただくまち歩きをオススメします!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!